◆水子に関するご相談


◇水子の嘆き(栃木県・男性)

◆電話が鳴り、お寺の奥さんという方から相談が寄せられました。2、3年前からご住職の妙な性癖に悩まされているというのです。夜の十時ころになると、決まって何かに呼ばれたかのように庭に出て、ウオーと大きな声を張り上げるのだそうです。また、床屋で洗髪の際に、頭を長いこと触られていると気を失ってしまうというのです。檀家の方々の耳に入る前に、何とかしたいのですが、ということでした。

出張日を取り決め大巫女と共に伺ってみると、かな りなお墓に囲まれた歴史の深そうなお寺でした。聞けばもともとは尼寺だったのですが、いつの頃からか婿取りをするようになり、男性の住職に切り替わったそうです。それ以来なぜか産まれる子は女ばかりで、結局婿養子で住職をつないで来たというのです。もちろん、ご自分たちも奥様が直系で、ご住職は北陸の方だそうです。

そんな訳もあってお二人とも子供のことではトラウマのようになり、妊娠する度に流してしまったそうです。しかし、そんなことをいつまでも続けていくこともできず、ご夫婦で決心をして子供をもうけましたが、案の定、三人続けて女の子が産まれ、以後出産をあきらめたということです。今は長女に婿さんを迎え、後継ぎとして修業をさせていると のことでしたが、その子供さんもやはり女の子が三人です。

こうしたお話しを聞いている内に、突然大巫女が今お寺のご本尊さまからメッセージが入りましたというのです。ご本尊さまが元の場所に戻して欲しいと望んでおられることを伝えてきたというのです。聞けば、このお寺は昔泥棒に入られたことがあり、それを機にご本尊を別のところに移しましたが、今でもそのままになっているというのです。それを聞いたご住職は、甚く恥じ入ったご様子でしたが、早速にお移しするお約束をなされ、大國之宮にもその際の儀式を手伝ってほしいと要請なされました。

ところで大巫女には、ご住職の奇癖の原因が、その他にもあることを感じとっていたのです。先ほどからご住職の頭に 膝に、小さな子供が七人まつわりついているのが見えるというのです。幼き命を摘まれた水子たちが、その無念さを伝えたいのでしょう。でも、ご家族の前でそうはっきりとはお伝えできませんから、幼い御霊さんたちにお詫びのみ祭りとみ霊上のみ祭りを執られるようお勧めしました。 

快く承諾なされましたので、後日ご本尊さまの遷霊祭と日を改め水子供養祭を執行させていただきましたが、それ以来、お寺の雰囲気は変わり、ご住職の奇病も消え、床屋さんにも気楽に行けるようになったと大変感謝されました。

 


●姉弟の水子

今日は県外から70代の女性の方がお見えになりました。この方は以前、音信不通になった娘さんのことでご相談にお見えになった方です。
娘さんについてはしっかりした方でしたので、心配しなくともきちんと生活をしていることを申し上げました。
その際、その女性の方に水子さんが憑いていることに気が付き、その旨をお話ししますと50年ほど前の20代のころに、そのような事があったことを打ち明けられました。その方はそれなりにお墓参りや、仏壇に手を合わせる時に一緒に拝んでいたようですが、水子さんはまだまだ不満な気持ちを持っているようでした。
そのことを、申し上げておりましたので、今日はその水子さんたちの供養の儀式を行いました。
立派なお膳を用意し、また水子さんたちが喜ぶようなおもちゃや、お菓子、洋服、肌着、お小遣いなどを供え、ねんごろに供養を行い水子さんたちの霊を慰めました。
御霊おろしを行い、水子さんたちとお母さんとがお話を始めました。水子さんはお二人見え、上の子は女の子、下の子は男の子のようでした。男の子はあまり不満は訴えておりませんでしたが、上の女の子は強い不満な気持ちを引きずりお母さんに訴えているのが見えました。また、下の男の子は一生懸命勉強をして学校の先生になるのが夢とのことを言っていました。その女性にお仕事は学校の先生をされていたのですか?とお伺いしますと、いえ、私は先生ではありませんが主人と義理の父、またその上のひいおじいさんがみんな教師だったことがわかりました。
その男の子はきっとお父さん達の姿を見て憧れていたのでしょう。
ねんごろに霊を慰め神様のところに行けば、もっともっと素晴らしいことが起きることをお話ししましたところ、水子さんたちはようやく安心し、満足した様子で神様のもとへ旅たちました。